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伊達家家臣伊達成実に関する私的アーカイブ

【ドラマ】臥竜の天視聴感想

今日7時から9時までBS-TBSで放送されました、『臥竜の天』。
伊達政宗が主人公のテレビドラマとしては、87年の渡辺謙さんの『独眼竜政宗』93年の高橋英樹さん版『独眼竜の野望!伊達政宗』95年の柴田恭兵さん版『愛と野望の独眼竜 伊達政宗』*1のあと、18年ぶりの映像化となります。BSTBS製作の初の時代劇ということもあり、2日にナビが放送されたり、わりと力が入ってる感じで、動画なども上がっていて、期待を煽られました。
これまでも、このブログでも何回か盛り上がって話題にしました。キャストやスタッフに『独眼竜政宗』に関わっておられる方が多数おられたこと、力が入ってる感じ、そして復興支援のドラマということもありましたし。一番気になったのはどこから描き、どこまで描くか、たったの二時間で…ということでしたが、非常に楽しみにしておりました。
で、見ました。
感想はひとことで言って、だ、ダイジェストすぎる…orz
見る限り、民放で二時間のドラマにしては、衣装もどうみてもお金かかってるし、この豪華キャストです。お金かかってるし、期待もかかってる。セットはナビによると大半をお寺で撮影したとのことですが(あとテロップ見ると東映京都・CAL*2の制作だそうで)、たった一回のために安いセット作るより断然効果的。
…そこまでは…よかったのですが…。
結論:二時間は無茶だ。
脚本がどうとか構成がどうとかいう以前に、単純にひとつひとつのエピソードに対しての時間配分が少なすぎる。どうしても状況説明のセリフが多くなり、ナレーションにも頼らざるを得なくなる。演技力がどうとかいう以前に、役者さんたちが演技だの芝居だのを云々いえる状態ではなかったようにに思いました。
個人的には、役者が演じてらっしゃるのに、ナレーション音声をかぶせ、エピソードを片付けるのがどうも嫌でした(氏郷や三成のシーンなどが特に)。再現VTRじゃないのだから、演者をもっと信頼すべきではないかなあ…。
二時間と決まっていたのだから、細かいところはばっさばっさと省略して、小十郎から見た政宗というとこで焦点を絞ってやった方がよかったのじゃなかったかなあ…。臨終のところで輝宗横死のところに戻ったときにやっと狙いというか書きたい流れはわかったのですが、ダイジェストすぎて何も伝わらぬ…!!(泣)という感じでした。実況で伊達ファンの方が「これもともと伊達好きだったり独眼竜既視聴者じゃない人が見て楽しいの?」とおっしゃってたのが…哀しくて。歴史オタク向けに、史実をあれもこれもと詰め込まなくてもいいから、何も知らない人がみても楽しめるような「ドラマ」仕立てにしてほしかったなあ…。
独眼竜の記憶がある人はどうしても比べてしまうし、そうなると一年かけてやれる大河にはどうやっても勝てない。でもまったく前知識がない人が見て普通に楽しめるシナリオ・構成には残念ながらなってなかったように思います。で、同じ人物なのだから、起こった事件や展開は変えられない。史実エピソードを並べただけの年表小説になってしまいます。で、たまに入る芝居も、時間が足りないから、どこかで見たようなシーン(展開は同じだけど、独眼竜で使われた珠玉のセリフは当然使えないわけで)のダイジェストになってしまう。
個人的には、史実的に抜けないエピソードを羅列するのではなく、そういうのはばっさばっさとやって、桔平さんや榎木さんが政宗や小十郎として普通に会話してるシーンがもっと見たかったな…と。セリフが説明口調すぎて、芝居やかけあいを楽しむ暇すらなかったというか。小十郎と政宗の掛け合いとかはすごくおもしろそうな感じだったのでやっぱりすごく期待しました。別室で政宗の沙汰がどうなるかを待ってた小十郎の前で寝っ転がる政宗とか、小田原から帰ってきた政宗達を見る成実の反応とか、すごいかわいかった!(笑)その分、知ってる人でさえついてくのがやっとのスピードに振りまわされてがっかり…というか。
せっかく衣装や豪華なキャスト陣なのだから、昔の年末年始時代劇のように4時間とか5時間とかではダメだったのでしょうかね…。本当に勿体ない。
あと、アテルイと田村麻呂に触れた箇所に関しては、残念ながら作品に昇華できるほどの意図を感じませんでした。いっそのことあの芭蕉が序盤からもっと二人に関わってくるような話にしてもよかったのでは…などと。*3

歴史創作を好む層というのは、史実そのままの順番通りの年表小説が読みたいわけではなく、最新の学術論文反映したドラマがみたいのではなく、史実通りの再現ドラマがみたいわけでもなく、自分の思い通りの人物像が見たいわけでもないんです。
自分の好きな人物を題材に、
自分が思いつかない
「おもしろい創作が見たい」
ただそれだけなのです。
思い通りにしてほしくて文句いってるのじゃないんです。
自分が思いつかない展開と、登場人物の生き様のぶつかり合いが見たいわけです。

政宗創作だけでとしてなく、テレビ時代劇も少なくなっている昨今、日本の時代劇・歴史劇ドラマを愛する者として、ちょっと残念な出来でした。哀しいですが。
細かいところはいっぱいいいとこあったんですよ、ホントに。それだけに残念。熱意はヒシヒシと伝わるだけに、どうしてそこが…orzという感じでした。
小うるさい歴史オタクの戯言なんて気にしなくていいから、はじめて見た人がわーこんな人いたんだね!かっこいいね!て思えるドラマに…してほしかったなあ…特に、震災復興名目なんですし。*4

*1:ちなみに一部界隈で有名な堂本剛さんが梵天丸をやったのはこれです

*2:水戸黄門で有名な制作会社ですね

*3:でも太宰金七でてきたのには驚いた…(笑)。

*4:個人的に劇団EXILEの脚本がすごくよかったのは、見に来ているそんなに政宗の知識がない人にもわかりやすく書いて、かつおもしろかったからなんですよね…。あれ見に来る人で伊達ファンはあんまいませんでしょうからねえ…みんなEXILEのファンだってば。でもあれはすごくよく出来てた