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伊達家家臣・伊達成実に関する私的資料アーカイブ

【感想】臥竜の天試写会&榎木孝明さん小十郎トークショー

(*この記事は、公式関係者・著作権者とは全く関係ないいち読者・いちファンの私的な感想記事です。何か問題などがありましたら、メールフォームにてご指摘いただきましたら適宜対応いたします)

今年3月にBSTBSで放送されました、久しぶりの政宗ものドラマ「臥竜の天」。(放送直後の【ドラマ】臥竜の天視聴感想はこちら)
GWに、ラジオ番組主催の試写会と小十郎を演じられた榎木孝明さんのトークショーがあると地元在住のTさんにお聞きしたので、行って来ました〜。はるばるね…。や、たまたま休みだったから…!さすがに私も聖地巡礼なしで、ホントにトークショーだけなら関西から白石なんて行かないですよ…でもたまたま上京して、たまたま身体が空いてる日だったから…。しばらく会ってなかったTさんにも会いたかったし…!(必死に正当化)
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今回は榎木さんがメインなので、聖地巡礼は最小限に。久しぶり(前回は2007年)の白石でしたが、白石城登る→ミュージアムで映像堪能→試写会&トークショー→一本杉→仙台で郷土料理!な感じでした。
感想としましては…! 榎木さんのお話ちょー長い! ちょー語りたガール!(ガールじゃない)
お話が長くて、どんどんどんどん話がずれているのに、最終的に聞きたかったことを教えてくれる(ただし横でお姉さんが時間進行にあせっている)という感じでした〜。そしてずーっとにこにこしつつ、熱く熱く…!おもろい!すてき!かこいい!(笑)
内容は、役者としてのトーク、魂が入る瞬間の話、自分を消していく話、天と地とでの角川監督とのバトルの話、井伊直弼の話、歴史と勝者と敗者の話、小十郎についての話、津川さん萌え話、絵の話…などなど、非常にもりだくさん! 進行のお姉さんの顔だけが青ざめていた…。話ホント上手いのよ! で、ふとした隙間にもトークをねじ込もうとする!(笑)隙あらばトーク! 楽しい!もっと聞きたかったです〜。一時間弱では足りないわ…。歴史ドラマトークショー三時間ぐらいぶっ通しでやってほしい…! 司会も進行もなく等々と40分ぐらいずっと話しておられて、天と地との話や、半次郞の裏話聞けたのが本当におもろかった…私としては日野俊基@太平記の話が聞きたかった…!(笑)
サイン色紙の手渡しのときも、階段を気をつけてくださいねとか、ひとこと二言お話してらして、紳士だった…!! サインあたって人いいな…後ろに集中してて、前の方の一桁二桁の張り切った人たち(自分ら含め)全然あたってなかったの切なかった…(笑)。
で、質問コーナーで、市民の人に「小十郎の映画を作るとしたら?」と言われ、忠義一辺倒じゃなく、二面性を持った、どうしようもないなあと思いつつ忠義を尽くしてる小十郎になるかも、自分が下克上しようとするんじゃなく、政宗をどう使うかみたいに考えてるような人…とか。
そ、そんな、小十郎、ちょーみてーよ!!(≧∇≦) 
榎木さんは役作りのとき、ものすっご調べられるそうです…。で、自分なりの解釈を作ってからでないと演じられないとか。で、自分をどんどん消していって、魂が入ったときに演じられるとおっしゃってました。話聞いてる分で、小十郎も、井伊直弼も、上杉謙信もものすっご詳しくて、監督や脚本家さんからの情報だけでなく、今回なら政宗や小十郎について作品とは別の、自分なりの史実解釈を構築してらっしゃる感じでした。てかえのきさんその映画作ってよ…(笑)て思いました…! 改めて見て思ったのですが、独眼竜と同じプロット・解釈では、単発ドラマで深さで独眼竜を越えることは絶対に無理なわけで、そのダイジェストではなく、違う解釈・違った切り口でのドラマや映画がみたいな〜と*1
個人的に、オタクとして、とどまるところを知らない熱さと、進行のことなどどうでもよく、ひたすら語りたガールなところ、絵をかくときの話などに笑いました…。ああ…あんなにかっこいいのに…オタクだわ…(笑)。イケメンオタクか!(笑)えのきさんはちょー絵かくの早いらしいです。<飽きっぽいんだとか

で、臥竜の天、改めて見ました。
本放送のときすごい辛口で評しましたが、なんかこれ改めて見るとそこまでひどくはないかなと。ものすっごいダイジェストだけど、小十郎サーガとしては一応形になってる。ただ尺がたりないのでいろいろ足りない。脳内補完が必要だけど、骨子はわりと素敵で、私は好きかもしれない。
私が好きだったのは、輝宗拉致事件のときに、死んだ輝宗を抱きしめてなく政宗を見て、小十郎が見てはいけないと後ろを向くのですが、そこでドキドキしてるとこがすごくいいなあと。
小十郎の中で、輝宗<政宗になった瞬間というか、ドキドキして、その昂揚に、この人に一生仕える!と決めたシーンなのかな〜と。
史実の小十郎って身分低いとかそもそも帰れるところがない故の野心・野望みたいなものを感じるのですが、それは自分を使ってどうこうではなくて、自分の人生を掛け金に、賭けた存在を操ったり誘導したり教育したりして、(自分が思う)よき方向へ導いて、政宗がすることなすことを最前列で見て楽しんだ人…みたいな感じがします。ギャンブラーな小十郎。
江戸時代的武士道のイメージの忠義者ではなく、どちらかといえば、自分の持ち金(=才覚)と主の資質を冷静に判断しつつ、間違った方向には行かせない。で、すごい楽しそうに主を見てる感じで。
で、臥竜の天はそういう話で、自分に賭けてくれた小十郎にやさしく礼を言う政宗で終わるけれど(まあ家康と遣欧使節は付け足しとして)、そういう小十郎サーガとしてみると、すっきりしてていいかなと。でも二時間は無理。二時間はダメ!(笑)輝宗ー小十郎の関係とか、基信との師弟?引き継ぎ関係なども含め、テレ東7時間時代劇ぐらいならできたかもしれない…(笑)。
わりと、テーマとか着眼点はよかったので、もちっと焦点を明確にして、かつ具体的なエピソードをいれていけば、きっとすごいよかったのじゃないかな…。前回ぐちぐちいいましたのも、勿体ないからなんですよ。全然つまんないならスルーすればいいだけですが、おもしろくなりそうなのに、なんか足りない…から勿体なくてぐちぐちいっちゃうひねくれたオタですみません…。コンセプトも役者さんもすごくよかったので。
だから二時間では無理だっつーの。
自分が好きだなあ…と思うのが、小田原から帰ってきたところの政宗と成実のやりとりとか、「死んではなりませぬ!」っていう義姫とか、鶺鴒のときに控え室で待ってる小十郎のところに戻ってきて寝っ転がる政宗とか、輝宗事件回想のときの(ぞくぞくして)人生決めた小十郎の顔とか、なんか約束したかな?みたいな家康のとぼけ顔とか。ホントによかったのですよ。そういう独眼竜プロットと離れた、人と人のやりとりが。
見たあと、ふと新幹線の中で考えてたのですが、政宗創作における独眼竜の功罪と言いますか、もちろんいいところもたくさんありますが、独眼竜の呪縛…みたいなものが25年たっても今なお…というかさらに強固にあるような気がします。あの人物解釈・プロットから脱却できないというか。いろんなものが独眼竜の二次・三次…な副次創作にしかなってなくて(とくに政宗や義姫のキャラ造型ですね)、もしかしたら余りに独眼竜インパクトが強すぎたせいで、あれから離れたものをしてしまうと風当たり強いんでしょうか。
私は独眼竜大好きな信者ですが、そろそろ別タイプが見てみたい。
大河は45分×50週もあるのですから、2時間や4時間のドラマや、1巻ぐらいの小説では越えられない、太刀打ちできない。だったら、別の切り口・別の手段・別の解釈で、見てみたいわけです。
そういう束縛から自由なところでの解釈をもった作り手による作品が見たい…と思いましたです、改めて。独眼竜以前はわりといろいろあったのだけど、多分インパクトが強すぎたんですよね。信長とか秀吉だと、いろいろ作品があって、大河があっても大河が絶対のスタンダードって感じにはならないのですが、政宗創作ではわりと独眼竜が一強すぎるんですよね…。(あと私含むアラサーオーバーオタク女子層にはダンドラだ<どっちにしても大河派生だ)

ドラマの裏話もよかったです! きっぺーさんは政宗みたい、という話も(悪戯好きらしい…七大夫の事件とか見たかったな!(笑))。津川さんはこっそり見えないところで、ふざけてあそんで背中触って来たりするそうです(笑)
臥竜の天は小十郎サーガなので、成実は最低限の出番なのですが、それはそれで文句ないです(笑)。その代わり成実サーガも見たいよ!どっか別のところで!(笑)そっちでは小十郎さんが迷子を探しに来てくれるんですよね…。

それにしても榎木さん素敵でした〜(笑)。トークショーまたやってほしい!もっと話聞きたい!(笑)

*1:実際に、最近の商業創作での政宗小説がどう見ても独眼竜の亜流プロット・人物解釈でのお手軽な年表小説ばかりなので、きちんと独自の解釈でのものがそろそろ見たいのです。だってもう25年ですし、いつまでもアレばっかりではつまんない。あれはあれが最高峰。