『名語集』83:王翼祭事の怪
原文
また王翼と申す唐人、祭事を仕り候に、長刀にて白き犬を切りける事ありしに、少しも切れずして、長刀たちうちより。折れたり。余の長刀して切り、祭事せいしが、みな人、気味悪しき事におもひし。
地名・語句
現代語訳
また王翼という、唐の人で、祭事を仕っていた者が、祭事のために長刀で白い犬を切ったことがあったのだが、少しも切れずに、長刀で苦労し、折れてしまった。他の長刀を持ってきて切り、祭事を行ったが、みな気持ち悪いと思った。
感想
王翼は『名語集』1:唐土の幼児〜にも出てきた王翼です。伊達家の祈願などを担当していた模様。