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伊達家家臣・伊達成実に関する私的資料アーカイブ

『伊達日記』92:会津での騒動④

『伊達日記』92:会津での騒動④

原文

政宗公会津へ御下着前の夜。御飛脚を以小荒田隠岐成敗仕るべき由仰下され候。此ものは須賀川落城以後我等を頼御免をかふふり候者にて候間。矢田野が会津を明渡され候者。欠落仕るべきと思し召され候と見え申候。それに付隠岐に申候は。明日御着候間御迎に罷出然るべきと申候へども。馬を持申さぬ由申され候間。我等馬を借し中途へ引出。勅使河原木工丞申付。足軽二三人指添中途にて討たしめ申候。

語句・地名など

現代語訳

政宗が会津へお帰りになる前の晩、飛脚を遣って小原田隠岐を処刑するようにご命令になった。この者は須賀川落城の後、私を頼ってお許しをもらった者であるが、矢田野が会津を明け渡すのであれば、逃げるだろうと思われたのだと思う。それについて隠岐がいうには「明日お着きになるのでお迎えに出たい」と言ったのだが、馬を持たないというので、私の馬を貸し、途中まで連れ出し、勅使河原木工丞に命令し、足軽2,3人を付けて、途中で討たせた。

感想

政宗不在時の事件四つ目です。矢田野伊豆の逃亡事件を受けて、小原田隠岐が反逆すると思った政宗の命により、殺害されます。実際はどうだったのかわかりませんが、迅速に処分を行っています。