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伊達家家臣・伊達成実に関する私的資料アーカイブ

『伊達日記』95:鷂所望

『伊達日記』95:鷂所望

原文

一太閤様会津へ御下。会津仙道蒲生飛騨殿へ下され候。木村伊勢守。葛西大崎拝領申され候而二本松を御通候。我等鷂所望の由に候間。一居持候を居させ湯井門(油井門)まで追懸会申候へば。葛西大崎拝領仕罷下候。鷹所望の由に候間二居にて返申すべき由申されつる。此鷂大事の鷹に候間大鷹にて御返し候へと狂言申候而罷帰候。

語句・地名など

狂言:冗談

現代語訳

太閤秀吉が会津へお下りになった。会津と仙道は蒲生飛騨守氏郷へ与えられた。木村伊勢守は葛西・大崎を拝領され、二本松をお通りになった。私のハイタカをお望みになったと聞いたので、ひとつ持っていたのを連れてきて、湯井門まで追いかけ、お会いしたところ、葛西大崎を拝領し、下るのだから、鷹を望まれるなら、ふたつにしてお返ししないといけないですねと言った。
私は、このハイタカは大変大事なタカですので、オオタカにしてお返しくださいと冗談を言って帰った。

感想

木村伊勢守吉清と成実の対面のシーンです。
立派な鷂なので、大鷹にしてお返しください、と冗談を言う成実の言葉がおもしろいですね。