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伊達家家臣・伊達成実に関する私的資料アーカイブ

『名語集』6:常に手を清む

『名語集』6:常に手を清む(常に手を綺麗にしておく)

原文:

一、或時の御咄に、「奉公人は、上下共に手を清むるという心持、肝要なり。近き事にいはば、不断召使ふ小姓ども、我が前へ出づる時、手を清めて出づれば、髭を抜け、髪をなでよ、刀を持てといふに、あやぶまず、心安く用をたすべし。手水をつかはず出で候はば、行き当たるべし。たとへば、手をきよめず、用を勤むるならば、気遣いおほかるべし。何事によらず、是は万事にわたる儀なり。手をきよむる如くに、常に心掛よくせば、何事も行き当たる事あるまじく候。諸人に此の心持、たえず持たせたきもの」と、御咄遊ばされ候事。

地名・語句など:

心持:心の持ち方、心がけ、気立て/気持ち
肝要:重要なこと
行き当たる:問題にぶつかる/ものごとが処理できなくて困る

現代語訳:

あるとき、以下のようなことをお話なされた。
「奉公人は身分の高い者も低い者も、手を清めるという心がけが重要である。身近な例を挙げると、常日頃召し使っている小姓たちが私の前に来るとき、手を清めて出てきたならば、髭を抜け、髪をなでよ、刀を持てと私が言ったときに、危うい目に遭わず、安心して用をこなすことができる。手水鉢で手を洗わず出てきたとしたら、きちんと勤めが果たせず、困ることになる。
たとえば、手を清めずにいいつかったことをやろうとすると、心配事がおおくなるだろう。どんなことであっても、これはすべてにかかわることである。手を清めるように、常に心がけをよくしていれば、何事も困ることなく過ごせることだろう。皆にこの心がけは常に持たせたいものである」

感想・メモ:

手をきちんと洗え!な心がけを説いた章です。
わざわざこういうってことは、手をきちんと洗わない人結構いたってことなんでしょうか(笑)。
まあ最終的には何事も前以て、いつ何があっても備えるようにという心構えの話になっていますが。
コロナでも言われていますが、感染症対策もあるのかも?