『成実記』11:塩松を入手
原文
一、小浜に於いて助之衆相談には。岩角取られ候はば。引除候事。成間敷候由申候。会津衆大内備前へ異見申候は。今日政宗公岩角を通御覧成られ候。彼城をとらせらるべき由に。思召候と現見得候と。申され候はば。何れも引除候事成間敷候間。今夜引除然るべく候。会津に於いて松本図書之助跡明地に候間。是を下され会津の宿老に罷成候様に申上ぐべく候條。罷除べき由頻に異見致し。其使には中目式部平田尾張を以催促申候に付。大内備前も通路を大事に存候而。抱之城共小浜残りなく。其夜二本松へ引除塩松分は落居仕候。
語句・地名など
現代語訳
一、小浜において援軍の者たちが話し合い、「岩角をお取りになったなら、退くことはあるまじきである。会津衆が大内備前へ意見したのは、今日政宗が岩角を通り、御覧になった。彼の城を取らせるようにと思っているのだろうと今思われる」と相談になったので、いずれも退くことができなくなってはいけないということで、今夜退くのがよいということになった。
会津の中で、松下図書助がいなくなった地が空いているので、この地を下され、会津の宿老にしていただけるように申し上げようと思ったので、退くようにしきりに意見し、その使いには中目式部と平田尾張を遣わし、催促をした。
大内備前も通路が塞がれてはと大事に思ったので、治めていた城と小浜の衆は残りなく、その夜に二本松へ退き、塩松領は政宗の支配下となった。
感想
とうとう塩松を手に入れました。